10年後には価値が出る!! お客様の反撃にいろんな意味で言葉出ず・・・百科辞典
うちは商売、特に古本屋を正式に始めて5年目
お客様で困った買い取りは
1位、百科辞典
2位、文学全集
3位、ディアゴステーニ系雑誌
今回買い取りしたお客様は、最初百科辞典の買い取りを依頼してきたのですが
当然のごとく当方としてはNG(というか百科事典を買い取れる古本屋がいたらお目にかかりたい)
であり、どうぞ紙資源業者へお持ちくださいとお話した。
その後、単行本が別件であるから来てほしいとの事で伺ったのだが・・・
やはりというか、なんというか、大半が文学全集・・・のしかも端本(揃っていない全集)
そのあたりも大半をNG、買い取り額0として説明していたところ
お客様より先日NGと説明した百科辞典を指さしながら
「昨日テレビでやっていたんだけんどぉ〜〜こういう本も10年後には価値がでるでよぉ〜〜〜
パソコンなんて電気が無けりゃ読めんがね?本が見直されるでしょ〜、まぁ、とっとく(残しておく)わなぁ〜〜〜」
・・・・・・・・・・・(絶対、価値は出ないと思うけどねと思いつつ)
とりあえず沈黙を守っていたのだけど
「古本屋さん、どう思うぎゃ?」
・・・・・もしかして尾張出身?と思いつつ
その百科辞典を眺めつつ・・・
「書というものには年月と共にヤケが必ず付いてきます。良い紙(中性紙)で120年、悪い紙(酸性紙)だと50年で劣化して読めなくなります。」
「この百科辞典はおそらく悪い紙です。すると50年で読めなくなる。現在でもかなり古い本ですので・・・10年後に辞典として使えるか私は疑問ですね・・・。」
「ちなみに和紙に墨ですと数百年〜数千年耐えると言われます。」
お客様の反応を見ていると、紙の寿命の話はほとんど理解できていないようだったが
和紙は良いという点でだけ激しく反応があり「やはり和紙だがや」と喜んでいた。
なにが「やはり」なのかさっぱり分からなかったが・・・(´・ω・`)
根本的に今後「書が見直される」という事もない気がするし、電子書籍はさらに進化するだろう。
そもそも百科辞典が見直されることは、絶対ないと思う。
音声認識がこれだけ進化してるし、端末に疑問を投げかけると画像や動画付きで質問に答えてくれるようになるだろう。
誰が「10年後に価値が出る」なんて言ってるかは知らないが、10年後に書物というメディアがどこまで残ってるかすら怪しい。
私は・・・書道が廃れた以上に書物は消えるんじゃないかと思ってる。
たぶん10年後には漬物石程度の価値しかないんじゃないかな、あの百科辞典。
ていうか10年後に百科辞典を覚えてる人がどれだけいるかどうか・・・
もはやタイプライター程度の骨董品になると思う。
それ以前にお客様が生きていらっしゃるかすら疑問なほど高齢だったけど・・・。