二重螺旋の恋人 劇評 テーマがブレていて分からない 主演:マリーヌ・ヴァクト ジェレミー・レニエ
いきなりネタバレからはいるので
読みたくない人はスルーしてください。
正直、開始10分でいきなり私は主人公が
寄生性双生児である事に気がついてしまった。
ピノコという同じ双生児が出てきており
状況がそっくりだった為である。
その上、腹が痛いと言っているのに
検診でエコーをしない医師
存在しない姉がいると言い続ける主人公
これではヒントが多すぎて、知識があれば当然にわかってしまうわけです。
ネタバレしてしまった作品を見るのは正直ちょっとつらかったです。
もちろん見所はこれだけじゃないですが
違和感がある部分が多かったです。
精神科医をカウンセラーのように扱ったり、そこで恋愛に陥ったりと
ちょっと現実味がない話です。
双子が入れ替わったりするのも、物語のパターンとしてはよくある事で
特に目新しさはありません。
ラストでガラス?鏡を破壊する主人公はおそらく
観客個々でその解釈を考えて欲しいという意味だと思いますが
私はこういうのは嫌いです。最小限にとどめるべきじゃないかと思うのです。
いろんな意味で取れるラストですが
いちいち考えても何のプラスにもならないので、やめてしまいました。
過激な性描写も多く、その必然性もちょっと私には理解出来なかったですね。
ポルノでもやりたかったのでしょうか?
ポルノ自体は否定しませんけど、やりたかったなら文学的な仮面をつけて
やらないでほしいなと思ったところです。
結局、監督は何がしたかったのでしょうか?
温厚な彼氏と、過激なセックスフレンドの間で挟まれる主人公?
だとしたなら、彼女を寄生性双生児にしてはいけなかったでしょう。
テーマがブレブレです。意味が分からなくなります。
これは私にとって今年の残念な映画、ワーストに入りそうです。