劇団つくしんぼ 2012 本公演 髑髏城の七人 劇評とか諸々

劇団つくしんぼに劇場パンフ作成と、物販のお手伝いをさせてもらった園田です。
っても、まぁ、劇評のマイナス点は一切手を抜きませんけど。

そういう人なので、どうぞご了承ください。
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映画の感想・劇評などは園田広宣個人の感想であり
役者個人、スタッフ等を攻撃する意思のないことをご理解ください。
あと感想には多々ネタバレが存在してます。閲覧前の方はご注意ください。
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★総合評価
値段など鑑みれば、かなりの完成度だと思います。
手伝いで稽古を観た時は、正直、これ間に合わないんじゃないかと思いましたが
多少のミスはあったでしょうが、これだけ完成させれば、いいんじゃないでしょうか。
もちろん脚本に助けられている点もあり、これが全て劇団つくしんぼの評価というわけでは
ありませんが、それでもたいしたものだと思います。


こっから敬称略です。
★演出 小町涙
いくつか気になった点を。

まず女郎の立ち位置が、稽古中はそろっていたのに
舞台上でズレが出来ていた事。
そのため、観客席からは女郎の動きに大きな乱れを感じ
とても不快だった事。

もも○ろクローバーZはいらん←アイドル嫌い
メイドもいいや。
その中でも特にセリフの和訳を旗で表現するのは、舞台の嘘の許容範囲を完全に超えていると思う。
どうせやるならプロジェクターで写せばよかったのに。


斬鎧剣、実は剣の中に刀を仕込んであるというアイデアはいいのだが
観客席からは全くわからなかった。
きつい言い方だけど「刀」をもう一本隠し持っている暗剣かと思った。
これは役者の見せ方か、演出のミスかは分からないが・・・。
どうやら「チャンスは一回のみ」というのが伏線になっていたようだが
先に「一度でも人を斬ると使えなくなる」というのとかぶってしまい分かりにくかった。
結構だいじな見せ場だったので勿体無いと感じた。

抜かずの兵庫の長剣での殺陣、おそらくは観客も見たかったはずだ。
たぶん脚本でそうなっていたから、研いで短くしてしまったのだろう。
この脚本を見る限り、おそらくは普通に長剣で戦ってもストーリー上問題なかったと思われる。
なぜ短剣に切り替えたかといえば、原作の兵庫がまだ長剣を扱えなかったからではないだろうか?
そのまま戦わせてもよかったと思う。
観客側からすると、正直裏切られた感じが強かった。
兵庫役の中井さんなら、あの剣、十分に扱えるはずだが・・・。

蘭丸(無界屋蘭兵衛)の裏切りシーン。
どうせなら、蘭兵衛の象徴であるソロバンを捨てて
蘭丸として、番傘で女郎を殺す・・・とかがあると格好よかったな。
そういう受け渡しとかがあるとよかった。

女郎で兵庫の剣を軽々担ぐシーンがあったが、正直いらなかった。
視線が左に移っている状態なので、背景に近い右でギャグをやられても困る。

百人斬り、贋鉄斎がひたすら研ぎながら、捨之介が斬り続けるシーンがあるのだが
・・・あれいるのかなぁ?
普通に斬り続けて、普通に刀を沢山用意すれば済む事では?
なにって・・・とても観づらかった。
仮に1本の剣で斬り続けたとしても、それは芝居の嘘で通せてしまうわけで
逆に斬ってる最中に研いでいる方が遥かに違和感がある。
リアリティを求めるなら、斬って捨てた敵の刀を奪って、斬り続ければ良いだけの話。
・・・ただ、研ぎながらの贋鉄斎の横移動などのパフォーマンスは面白かった。



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○役者評
※芸歴が長い役者ほど、厳しい評価をしていると思いますが
どうぞご容赦ください。

◆玉ころがしの捨之介&天魔王 中澤徳泰((株)ギュラ、劇団つくしんぼ)
ある意味で、すでに完成されている。
逆に言うと、この先の成長が見込めないラインまで来ている。
年齢的にも、アクションのピークとなるか・・・もしそうなら残念な事だ。
みていて十分な実力はあるのだけど
食い入るほど魅入る演技に達しているかは、まだ微妙なラインかもしれない。


◆ぺてんの沙霧 茶摘み    
以前に比べたら、十分に主要キャラを張るレベルに達している。
あと1〜2年で、いい女優になるだろうし
5年やれば大化けするかもしれない。
ただ、身体がまだ子どもなので、このまま成長が止まってしまうのが怖い。
もしあの身体のままだと、本当に中学生ぐらいにしか見えないし
※マニアにはたまらんかもしれんが
小さな身体は舞台女優には全く向かない。
そういう点が心配ではある。
あと、芝居をしている時に受けの状態で、身体が動いていたのが少し気になった。

◆極楽太夫 さおり    
ずっと以前からチェックしていて
前から何か気になると思っていたのだけど
それはどうやら
・怒っている時
・笑っている時
など、諸々のテンションが同じで、感情の起伏が分かりにくいという事。
たぶん、目をつぶってしまうと、いま何を言っているのか入ってこなくなってしまう。
感情表現が声から伝わってこないのは勿体無い事だなぁと感じた。
体格的に、茶摘みさんとは逆に舞台女優に向いている恵まれた体格。
たぶんまだまだ演劇表現的に伸びるはずだと思う。
ちなみに、あの極楽太夫の最初の鬱陶しさは天下一品だった(苦笑)

◆抜かずの兵庫  中井勝信 (劇団望創族、サマーナッツ)  
アクションも上手いし、演技も良い。
もうちょいストーリーに絡めた感じが欲しかった。
演技が見れて嬉しかったが、もっと話しに関わる部分でもよかったのではないだろうか?
あの長物をがんがん振り回せるってのは、素晴らしい体力の持ち主だなぁ。
とても羨ましいです。

◆無界屋蘭兵衛   東野善典   
うん、うまいです。めちゃくちゃ上手い。
逆に言えば、前回のタンロウ役はなんだったのだろう?
たぶん名前を確認しないと、同一人物が演じている事すら疑いかねないぐらい
全くの別物。
これ前回のタンロウ役でみたかったなぁ・・・そうすりゃ
あのダメダメ空気を多少なりともカバーできたはずなのに・・・。とても悔やまれる。
しかし色っぽいなこの人の演技。
本当に男でも吸い込まれる感じがするよ。まさに蘭丸って感じでした。
いいね。

◆贋鉄斎  鈴木顕太郎 (神楽創社)
演技にブレがある。
キャラクター演技なのか、コメディ演技なのか、二枚目演技なのか
ともかくどれとも付かない感じで
残念ながら好印象がない。
演じているのだけど「演じているだけ」という空気が伝わってくる。
なんだか捨之介を、みていない感じがする。

〈無界の里の女たち〉
◆おりさ  山中狸紗 (チーム半月)
正直、この役は山中さんじゃねぇだろと思った。
あと、コメディ的セリフを入れるなら、それをたたみかけるように
3回はやった方がいいと思う。
あのドタバタしたシーンで、1〜2回やっても、なかなかお客様に伝わらない。

◆おなお  影山尚美
影が薄い。というより身体付きの問題だと思うが
目立たない。裏切った二人のうちの1人なので
もっと覚えていてもいいはずなのだけど・・・。
アクション的には上手いんだと思う。

◆おむつ 小柳睦美 (劇団ねこ入り玉手箱)
二番目に殺された女郎という印象しか無いが
見た目や声などは可愛い。
ただ、可愛い女優なんて山ほどいるので、もうちょいインパクトがあると良かったな。

◆おゆう  桜結羽 (劇団つくしんぼ)
最初に殺される女郎だが、死に際に印象が残っていて
その点がとても綺麗でよかった。

◆おさき  岡田咲
ごめんなさい、全く印象に残っていない。
何か言っていたような気もするのだけど、正直ほとんど印象が無い。

◆おリス アリス・ボーグ
外見的特長から、やはり印象に強く残っている。
ただ、緊張なのか恥ずかしいのか
声が客席までほとんど届いていなかった。
面白いセリフなどもあったので勿体無い。

関八州荒武者隊〉
◆能書き三五    宮本亜沙人(劇団つくしんぼ)   
役的にはまっていたので、たしかに以前より上手くみえるかもしれないが
単純に役が本人に近かっただけなので、演技的に評価するのは難しいかもしれない。
ただ、全体的なセリフの使い方など、総合的に上手くはなっていると思う。
彼は受信は下手だが、表現力は決して他の役者には劣っていないので
うまい教師がつけば、まだまだいくらでも伸びしろがある。

◆居合いの陰兵衛 ちゅいと〜 
個人的にはもっと活躍できるシーンがあったのに
早い段階で殺されてしまったのが、とても悔やまれる。
役的な問題だとは思うけど、結構期待してたのに・・・。

◆威張りの不乱坊  八日市和雅 
実はほとんど記憶が無い。
斬馬とキャラがもろかぶりな上に、完全に喰われてしまっている。
もったいない。

◆目張りの目多吉  Enju (Secilia Luna)
私は彼のバンドというものが異世界すぎて
全く知らないのだけど
やはりバンドマンというか、見せ方は上手いなと思った。
おりすと一緒に亡くなるシーンは良かったと思う。
                   

〈関東髑髏党〉
◆鬼楽因果丸   みざりお〜る 

・・・・・・・・・・・・・

ユー、そろそろ、背中で語る芝居とか覚えちゃうといいぜ。




◆斬馬      中澤佑宜  
いいキャラだなぁ・・・このキャラほんと好きだ。


◆胡蝶丸     尾崎紀子
どうもセリフが上手くない。
それ以前に、存在自体がいまいち理解しがたい。
回転しながら斬るというアクション自体は嫌いじゃないんですが
全然、敵に向かっていない。ダンスじゃないんだから・・・。

[無明      山中狸紗]
[無音      影山尚美]
諸事情によりかぶる為、省略

餓毘羅     長谷川茂
顔にペイントをしてるから分かりにくいんですけど
結構いい男ですよね長谷川さんって。
芝居じたいは少ないけども、アクションじたいは見ていて面白かったです。
いいなぁ〜もっとみたいなぁ〜

 〈その他〉
◆磯平 川本出雲  (市民劇場TAMA)
う〜ん・・・・・この役、必要性が感じられず・・・。
いるのか、この役?なんか節々に現れ派手に引っ掻き回す割に、重要性が感じられず。

服部半蔵 倉谷まさよし
上と同じく重要性は感じられないのだけど
逆に地味な分、不要感は少ない。
個人的意見だけど、こういう地味に見せる役って結構好きだ。

◆狸穴二郎衛門 寺島八雲
名前から正体を案じさせているのは分かるんだけど
小さい子どもとかには分かりにくいんじゃないかなぁ?
演技としては若干の不自然なセリフ回しがあったり
立ち方に微妙に違和感を感じざるをえない。
ただアクションは個人的に好きだ。


★舞台コボレ話
劇場パンフレットを作成したのは私なのですが
完成品をみて愕然とした。
・・・・・・小さい・・・・・え?なんでB4?
発注はA3だったのです。それがどうやら諸々の事情により
B4に縮小されてしまったとの事。
どうりで文字は擦れてるし、印刷はとんじゃってるし・・・
ちょっと泣きそうだった。
しかも、個々にドクロマークのイラストを載せたのに
それも飛んじゃってて(TT)
悔しいんで、元の原稿勝手にアップロードして載せてやる。
http://eziromem.web.fc2.com/panfu.pdf


今回、お手伝いをさせてもらって気が付いたのは
劇団の中で制作の仕事の振り分けがうまくできていなかった事。
そういえば過去の劇団でも、そういう事があった。
どこまでが、自分の仕事で、どこからが別の人の仕事なのか
全然区分けされていないので、やらなくて良い事に力をいれてしまい
やらなくてはいけない事に、全然力をいれられなかった。
そういう経験は、おそらく他の劇団でも多く見られる事だろう。
どこから経理、どこから制作という仕事の区分けを一目で見られる表などがあるといいと思う。
こういう点のトラブルが、特に劇団つくしんぼでは多い気がする。

あと、よく言われる事だが
劇団の常識というのは社会の非常識と言われる。
劇団というのは狭い世界で構成されていて
隣り合った劇団も、ようは近所のようなものだ。
いわゆるローカルルールというものが沢山存在しており
そこに属さない人には分からない事も沢山ある。
そういったローカルルールを、はっきりと説明しないと
必ず大きなトラブルが生じるので、そこをきっちり説明する習慣が
どこの劇団にもあると良い。
ちなみに私は役者で出ている時に、ロビーに出されたスタッフの弁当を喰って
しこたま怒られた事がある(苦笑)書いとけよとは思ったが。
個人的意見だが、スタッフと役者で待遇が違うってのは
正直俺にはよく分からない。だから今回も謝礼を先に断った。
確かに役者はスタッフがいるから舞台に立てるのかもしれないが
スタッフは役者が死ぬ気で「チケットを手売りする」から、そこにいられるわけだ。
わざわざ区別すると、スタッフと役者の溝が出来ちまうんじゃないかと心配になる。
※おれ自身、過去の劇団で役者とスタッフの壁はでかかった。
こういう事は、いつもお互い様だと思う。
・・・ただし、それはチケットを必死で売ってきた役者にだけ言える。
チケットを売らない舞台役者は、仕事しない制作と同じだ。はっきり言っていなくてもいい。





とかなんとかいいつつ、二次会の参加費回収で余った400円は俺様がいただいた。
がっはっは、返してほしくば、次の芝居で頑張ってみたまえうひょひょひょひょ




ひょひょひょひょひょ〜〜〜〜(残響音含む)


ひょひょひょひょひょ〜〜〜〜(残響音含む)


ひょひょひょひょひょ〜〜〜〜(残響音含む)







◆関連リンク
・劇団つくしんぼ『髑髏城の七人』稽古場ブログ
http://ameblo.jp/tsukushi-keiko/

・合同公演企画演劇集団  チーム半月〜Half Moon
http://kamome.iza-yoi.net/
・神楽創社
http://kagurasousya.com/
・Secilia Luna Official Site
http://www.secilia-luna.jp/top.html

日々我乃反省・・・ヒビ割レノ半生・・・ byみざりーる 
http://ameblo.jp/megaromania-megaromania/

Enjuオフィシャルブログ「えんじゅりあにてぃ〜」
http://ameblo.jp/secilia-luna-enju/ 

寺島八雲のMUSIC HOUR!!
http://profile.ameba.jp/kaname0502/


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