ドラゴン怒りの鉄拳 ブルース・リー主演
たまたまビデオレンタルに置いてあって
親父がブルース・リーが好きだったので借りてきた。
ブルースリー作品は結構ちゃんと見たつもりだったのだけど
これは全くの初見だったらしく、日本人が完全な敵役になっている事に驚く。
(ほかにも日本人が敵役のはあったが)
やはり生まれる前の作品はしっかり抑えてないと取り逃がしが多いなぁ。
レンタルで「日本語吹き替え版はありません」と言われたのだけど
これはやはりこの作品が嫌われているからだろうか?
(最新版はあるようです。)
ちなみに作品が出来たころは、私は生まれていなかったようだ。
ストーリー自体は、それほど難解なものではなく
中国道場(中国人)vs日本道場(日本人)という形になっていて
その争いにたまたま帰郷したブルースリーが巻き込まれ、日本人をほぼ皆殺しにするという図式になっている。
本筋はたいした事がないのだけど
その中で当時の日本が香港を支配し、香港人に暴虐の限りを尽くしていた事
「東亜病夫」の看板など、時代を知る良いきっかけになるエピソードが含まれている。
リーが人力車を持ち上げる時、こんな持ち上げ方は不可能だろと思ったら
撮影の段階でやはりリーがこの撮影に反対したとの事。
途中「チャン(リーの事)が正しかった」と師範代らしき人がいうシーンがあるが
・・・それもちょっと違うんじゃねぇかなと思った。
結果的にチャンが日本人を皆殺しにして話は終結したことはしたが
あれじゃ焼野原感が強い。誰一人、得はしていない。
やるなら一人で乗り込まず、全員に相談してから行くべきだろうと。
仮に一人で行くにしても、宣言していく必要はあるんじゃねぇかなぁと思った。
ちょっとそこがご都合な感じがした。
ラストがどうもスッキリしない。
どうやらここも監督とリーの意見が分かれ、リーが「何人も殺した人物を生かしてはいけない」という主張の元で
結果的に主人公を殺すことにしたようだが、そこも明確に描かれているわけではなく
胸がもやもやする。
どうも、この作品は監督とリーとの対立が、ストーリーに一貫性を持たせられない事態に陥らせたのではないだろうか。
どうせやるなら、中国人の自治を守るためにも主人公には生きていて欲しかったというのが個人的な感想だ。