志向性の神経心理学 2012高次能機能障害学会サテライト・セミナー レポート3

志向性の神経心理学 大東祥孝(京都大学名誉教授)


志向性の神経心理学というジャンルは確立されていないらしいが
この分類はとても面白いと思った。

心理というのは、
「なにものかに向けられている」
という発想で分類していく

・注意を認知的志向性
・意欲を動機的志向性


最初に出現される「一次意識」と
言語の出現によって生じたとされる「高次の意識」
があり、意識は二重構造になっているといわれている。

意識進化の過程→言語の生起→高次となる
逆に仮定すると人間以外の生物に高次の意識は無いと考えられる。


意識3つのネットワーク

・セイリアンス・ネットワーク
・遂行制御・ネットワーク
・デファルトモード・ネットワーク

Ⅰ.セイリアンス・ネットワークを
社会的意識 外界に対して個々に反応する意識

Ⅱ.遂行制御ネットワークは
認知的問題解決として外界に向けられた意識

Ⅲ.デフォルトモードネットワーク(DWN)を
再帰性意識、安静休息状態 内界に対した意識

と分類する。

Ⅰを一次意識とし、Ⅱ+Ⅲを高次の意識としている。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
症例)

鏡現象 認知症の現象
鏡に映った自己を認識できなくなる。

Ⅰ、Ⅱは正常に機能していても、Ⅲが機能しなくなる事によって
鏡に映った自分が誰であるのか分からなくなり、暴言を吐いたり対話したりするようになる。
しかし鏡自体は理解できている場合もあり、鏡を使ってひげそりをしたり化粧をしたりする場合もある。

認知症においては、こういった現象が起こりはじめるのであり
病態失認が必ず起こると考えられる。
逆に言えば、病態失認がない(認知症を自分で疑う)場合は、認知症とは言えないと考える。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「なにものかについての意識」が、なにものかに向かう過程と考えられる。


このデォルトモードネットワーク(DMN)は、今度、人の意識を観察する上で
非常に重要な意味を持ってくるであろうと思われる。



実は、大東先生の話が難しすぎて、この辺りが私の理解の限界であった(苦笑)
たぶんもっと面白い話を沢山されていたはずなのだが
理解できたのはここまでである。

こちらの本を紹介されていた。
いま最新の高次能機能障害に関する情報が載っているらしい。
ぜひ購入する事をお奨めする。


あくまでも個人の主観にて記載しております。
諸々の判断は、個々に審査して自己責任で活用ください

医学に関して、当方は患者であり医学者、治療者ではありません
全ての判断は個人にお任せしております
当方のブログを見て実践した事による損害に関しては
一切の責任は当方にありません

こちらのブログは著作権が園田広宣にございます
無断での複写、公開は著作権法の範囲で違法になる場合がございますので
どうぞご理解いただければと思います。

皆様のご協力、そして応援に、深く感謝しております



古本屋エイジロメン 店長ブログ 高次脳機能障害と仕事と日々の暮らしと… 園田広宣
はamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによって
サイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、
Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。